Valle
Valle
バジェ県
※県南の離島も県に含まれますが、本地図では色を付けていません。
バジェ県(Valle)はホンジュラス南部に位置し、東はチョルテカ県、西はエルサルバドル、北はフランシスコ・モラサン県およびラ・パス県、南は太平洋と接しています。総面積は約1,700㎢で、日本で最も小さい香川県よりもさらに小規模な県です。県は9つの市から構成され、県都はナカオメ市(Nacaome)です。
バジェ県はエルサルバドルとの国境に位置しており、同国との間を結ぶ重要な出入口の一つとなっています。中米地域を陸路で移動する際には、この県を経由してエルサルバドルやニカラグア方面へ向かうルートが多く利用されています。また、太平洋に面していることから、隣接するチョルテカ県と同様にエビの養殖が盛んな地域でもあり、日本を含む海外への輸出も行われるなど、地域経済を支える重要な産業となっています。
さらに、海辺の町であるサン・ロレンソ市(San Lorenzo)や、その沖合に位置するティグレ島のアマパラ市(Amapala)は、県内でも特に観光地として知られています。北部のカリブ海沿岸地域とは異なり、マングローブ林や太平洋沿岸のビーチ、釣りなどを楽しめる、落ち着いた雰囲気の地域です。
1825年、現在のバジェ県一帯は、コマヤグア県およびチョルテカ県の一部として構成されていました。その後の行政区画の再編により独立した県となり、その際にバジェ(Valle)という名称が付けられました。この名称は、チョルテカ出身のホンジュラスを代表する思想家・政治家である「ホセ・セシリオ・デル・バジェ(José Cecilio del Valle)」に由来するとされています。
バジェは1777年にこの地で生まれ、1821年の中央アメリカ独立において、独立宣言文の起草に深く関わった重要人物の一人です。独立後に軍事的・政治的指導者として活躍したフランシスコ・モラサンが、教育改革や政教分離を実行した人物であるのに対し、バジェはそれ以前の段階で、法と理性に基づく平和的な独立を重視した思想家として知られています。
彼は自由主義的な理念を掲げ、その卓越した知性と論理性から「賢者のバジェ」と呼ばれました。その人格と功績を称え、名を後世に残す目的で、この地に「バジェ県」という名称が与えられました。現在も彼はホンジュラスを代表する偉人の一人として高く評価されており、その肖像は100レンピーラ紙幣にも使用されています。
100レンピーラ紙幣のホセ・セシリオ・デル・バジェ
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