コロン県
コロン県(Colón)はホンジュラス北部に位置し、東はグラシアス・ア・ディオス県、西はアトランティダ県およびヨロ県、北はカリブ海、南はオランチョ県と接しています。総面積は約8,200㎢で、日本の兵庫県よりやや小さい規模です。県は10の市から構成され、県都はトルヒージョ市(Trujillo)です。
1502年、クリストファー・コロンブスが第4回航海で中米に初めて到達した場所が、このコロン県にあるトルヒージョ周辺だとされています。市内には、その歴史を現在に伝えるサンタ・バルバラ要塞(Fortaleza de Santa Bárbara)をはじめとした植民地時代の建造物が残ります。
また、県内には手つかずの自然が多く、白砂のビーチが続く沿岸部や、ガリフナ文化が残る小さな集落など、地域ならではの風景が点在しています。
コロン県は先述の通り、大航海時代の冒険家クリストファー・コロンブス(Cristóbal Colón)に由来しています。1502年に彼は第4回航海で、現在のホンジュラス北部にあるバイア諸島県のグアナハ島に到達し、その後コロン県のトルヒージョ周辺へ上陸したとされています。これは、中米でヨーロッパ人が初めて中米の地に上陸した場所として広く知られています。
その際、コロンブスがトルヒージョ沖で船を停泊させようとしたところ、海の深さに驚き、この地域をスペイン語で「深み」を意味する オンドゥーラ(Hondura)と呼んだという伝承があります。これが後に国名 ホンジュラス(Honduras)の語源になったとされています。
また、県都トルヒージョ市の名前は、この町を創設したスペイン人征服者フランシスコ・デ・ラス・カサス(Francisco de las Casas)に由来します。彼は1524年にこの地に町を建設する際、出身地であるスペインのトルヒージョ市にちなんで同じ名前を付けたことが始まりとされています。
クリストファー・コロンブスの肖像画
(パブリックドメイン)
県都であるトルヒージョ市は、植民地時代の雰囲気が色濃く残るホンジュラス屈指の町です。コロンブスが最初に上陸した地という歴史的背景もあり、町中にはコロニアル様式の建物や教会が現在も点在し、ゆったりとしたアンティークな空気を感じることができます。
町を象徴する観光地である サンタ・バルバラ要塞(Fortaleza de Santa Bárbara)は、1550年に建設されたとされ、当時この地域を脅かしていたカリブ海の海賊や私掠船から町を守るための重要な軍事拠点でした。要塞内にはスペイン本国から運ばれた14門の大砲が残されており、これらはおよそ300年にわたり実際に使用されていたと言われています。高台に位置するため、カリブ海を一望できる絶景スポットとしても人気があります。
さらに、トルヒージョといえばやはり 美しいカリブ海の海 も外せません。白砂のビーチと青い海が広がる静かな環境で、のんびりとした時間を過ごすことができます。
県都トルヒージョ市自体は、隣県の県都であるラ・セイバに比べると比較的落ち着いていますが、観光で訪れる際は、夜間の外出を控える、ビーチで荷物を放置しない、移動は信頼できる交通手段を利用するなど、基本的な対策が大切です。
県内で最も人口の多いトコア市(Tocoa)は、多くの産業が集中する地域であるため、治安の面からも観光目的で長時間滞在するにはあまり向いていません。さらにトコア市周辺では、パーム油生産のためのパームヤシ農園をめぐる土地所有権の対立が長年続いており(2025年現在)、地域特有の社会課題となっています。特にバホ・アグァン地区(Bajo Aguán)がその代表例で、観光地からは離れているものの、コロン県の背景を理解する上で押さえておきたいポイントです。