Atlántida
Atlántida
アトランティダ県
アトランティダ県(Atlántida)はホンジュラス北部に位置し、東はコロン県、西はコルテス県、北はカリブ海、南はヨロ県と接しています。総面積は約4,300㎢で、日本の京都府よりも一回り小さい規模です。県は8つの市から構成され、県都はラ・セイバ市(La Ceiba)です。
アトランティダ県はカリブ海沿岸の重要な観光拠点であり、国内でも主要な港を有する商業の中心地でもあります。県都ラ・セイバ市は観光と商業が盛んな都市で、ホンジュラスの第三の都市と言われています。また、バイア諸島県(Islas de la Bahía)へのフェリーが発着する港もあり、国内のカリブ海観光の玄関口として重要な役割を果たしています。
さらに、県西部のテラ市(Tela)も人気の海辺の観光地として知られています。ラ・セイバ市よりもサン・ペドロ・スーラ市に近いためアクセスが良く、比較的落ち着いた雰囲気から、国内外の観光客に広く親しまれています。
アトランティダ県の名前の由来ははっきりとしているわけではなく、大西洋(カリブ海)に面していることから、かつてスペイン付近の大西洋にあったとされる伝説の大陸「アトランティス(Atlántida)」と結びつけたという説が一般的ではありますが、詳細は分かっていません。
対して県都「ラ・セイバ市(La Ceiba)」のセイバとは、ホンジュラス国内にも多く自生している木の名前です。セイバという言葉は、元を辿ればタイノ語(Taíno)というカリブ海に住んでいたタイノ族の言葉に由来しており、植民地時代に消滅したとされる先住民族語です。70m近く成長するこの木は、マヤでは地下世界、地上世界、そして天界を繋ぐシンボルとして親しまれてきました。
かつてラ・セイバ市には成人男性50人が手を繋いでようやく幹を囲えるほどの大きさで、彼らにとっても、その後の入植者にとっても大切な存在だったそうです。 1914年にその木は伐採されてしまったため、現在は残っていませんが、その地域の名前になるほど、現地の人たちとセイバの木は大切な存在なのです。
セイバの木。写真はコパン県のコパン遺跡で撮影。
Ruinas de Copán, Copán Ruinas, Copán
ギジェルモ・アンダーソン海岸通り
Malecón Guillermo Anderson, La Ceiba
ラ・セイバ市は、ホンジュラスにおける代表的な観光地の一つであり、 カリブ海観光の玄関口として全国的に知られています。市の北側には、美しいカリブ海に面した海岸線が広がり、公共ビーチのほか、ホテル専用のプライベートビーチも点在しています。都市のにぎわいと海の心地よさが調和した、独特の雰囲気を楽しめるエリアです。
さらに、ラ・セイバの背後にはピコ・ボニート国立公園(Parque Nacional Pico Bonito )がそびえ、そこに流れるカングレハル川(Río Cangrejal)は、国内外で「ラフティングの聖地」として知られています。透き通った水が岩間を勢いよく流れ落ちる急流を下るアクティビティは、初心者から上級者まで参加できる本格的なアドベンチャー体験です。
また、ラ・セイバはホンジュラスの国民食である バレアーダ(Baleada) が国内で最もおいしい地域としても有名です。ホンジュラスの人々に「どこのバレアーダが一番おいしい?」と尋ねると、多くの人が迷わず「ラ・セイバ!」と答えるほど、有名なスポットです。ラ・セイバを訪れる際は、ぜひ一度ご賞味ください。
ギジェルモ・アンダーソン海岸通り
(Malecón Guillermo Anderson, La Ceiba)
桟橋付近に広がる公園。
様々なレストランや露天商が立ち並びます。
サン・イシドロ大聖堂
(Catedral San Isidro Labrador, La Ceiba)
この教会の守護聖人のお祭りに合わせて、
中米最大規模のカーニバルが開催されます。
ピコ・ボニート国立公園
(Parque Nacional Pico Bonito, La Ceiba)
カングレハル川が流れる国立公園。
ラフティングの聖地として知られています。
スウィンフォード公園
(Parque Swinford, La Ceiba)
バナナ共和国時代にラ・セイバを走っていた
SLや客車などが展示されています。
テラのレタラ
Parador Fotografico De Tela
テラ市は、ラ・セイバ市から車で 約1時間〜1時間30分、サン・ペドロ・スーラからも車で 約1時間〜1時間30分 ほどの位置にあります。カリブ海に面したこの町は、雄大な自然が溢れる町として有名です。
壮大なマングローブ林が広がる「プンタ・イソポ国立公園(Parque Nacional Punta Izopo)」、多種多様な水生・陸上生物が生息している「ジャネット・カワス国立公園(Parque Nacional Jeannette Kawas)」、さらに中米最大規模の植物園として知られる「ランセティージャ植物園(Jardín Botánico Lancetilla)」などが代表的な見どころです。
しかし何と言っても、この町の一番の魅力は落ち着いた雰囲気でしょう。ラ・セイバ市が海沿いの都市としてにぎやかな印象なのに対し、テラ市は海沿いの小さな町という印象で、安全・治安面でも比較的落ち着いています。
テラの桟橋
(Muelle de Tela, Tela)
テラに来たら写真を撮りたくなるスポット。
夜は多くの地元釣り客で賑わいます。
ランセティージャ植物園
(Jardín Botánico Lancetilla, Tela)
ホンジュラス国内最大級の植物園。
パームヤシ群や竹林は圧巻の景色。
テラ・マリン
(Tela Marine, Tela)
無料で入れる小さな水族館。
爬虫類や小動物の展示、お土産の販売もしています。
ラ・セイバ市はアトランティダ県最大の都市であり、観光拠点として多くの人が訪れる一方で、都市規模が大きく人の往来が激しいため、治安が良いとは言えない側面があります。 旅行者にとっても、基本的な安全対策は欠かせません。市内では徒歩での移動を避け、信頼できるタクシーを活用すること、夜間の外出や単独行動を控えることが重要です。また、貴重品を目立たないように持つなど、日常的な防犯意識も求められます。
一方でテラ市は、ラ・セイバ市に比べて小規模で落ち着いた雰囲気があり、国内外の観光客から「比較的安全にカリブ海側のホンジュラス観光を楽しめる町」として知られています。とはいえ、観光客が集まるビーチ周辺や週末の繁華街では、軽犯罪が発生する可能性もゼロではありません。夜遅い時間を避ける、荷物を放置しないなど、基本的な注意を払うことで安心して滞在できる地域 と言えるでしょう。
なお2026年1月現在、アトランティダ県ではUberは対応していません。
テラの中心地。比較的安全ではありますが、
道のほとんどを塞ぐくらいの大型バスが時々走るため注意が必要です。