インティブカ県
インティブカ県(Intibucá) はホンジュラス西部に位置し、東はコマヤグア県およびラ・パス県、西はレンピーラ県、北はサンタ・バルバラ県、南はエルサルバドルと接しています。総面積は約3,100㎢で、日本の奈良県より小さい規模です。県は 17の市から構成されており、県都は ラ・エスペランサ市(La Esperanza) です。
この地域は、ホンジュラス国内でも特に先住民族レンカ族(Lenca) の文化的な面影が濃く残る地域として知られています。特産品としては、鮮やかな色彩が特徴の 「レンカ布(Tela Lenca)」 が県内全域で広く生産されています。また、「コンポストゥーラ(Compostura)」 と呼ばれる、母なる大地に感謝し調和を願うレンカ族の伝統儀式を現在も守り続けているコミュニティも存在します。
県都エスペランサ市は標高約1,700mに位置し、年間平均気温は17.9℃ と、ホンジュラスの中でも最も冷涼な気候を持つ地域として知られています。乾季に寒波が訪れる際には、気温が 10℃を下回る日も多く、霜が降りることもあります。
この地域は、ホンジュラス最大の先住民族であるレンカ族の影響が、古くから非常に強かったとされています。そのため、インティブカ(Intibucá)という名称は、レンカ語の 「インティプカ(Intipuca)」 に由来するとされており、「高地の台地(高原)」を意味すると考えられています。
県内には プカ・オパラカ山 をはじめとする高地地形が広がっており、県全体の多くが標高1,500m前後の高原地帯に位置しています。このような地形的特徴が、地名の由来にも反映されたと考えられています。
なお、県都である ラ・エスペランサ(La Esperanza)は、日本語に直すと「希望」を意味します。この名称は先住民族由来ではなく、スペイン人入植以降の時代に、キリスト教的な価値観や世界観に基づいて名付けられたものと考えられています。
レンカ族の伝統工芸品「レンカ布」
県都 エスペランサ市 は、隣接する インティブカ市(Intibucá) とともに「双子都市」として知られています。植民地時代には、現在のCA11号線あたりを境に、南側のエスペランサにスペイン人、北側のインティブカに先住民レンカ族が暮らしていた歴史があり、その名残として エスペランサ市側にはコロニアル様式の教会や街並みが現在も残っています。
また、市の郊外には紀元前に人々が暮らしていた痕跡が確認されており、多くの出土品が見つかっています。観光目的での一般入場は、遺跡の保護のために現在は制限されていますが、教育機関や研究機関による調査は継続されています。
市内には、レンカ布(Tela Lenca) を扱う店舗が数多く点在し、それぞれの工房でオリジナルの製品を制作しています。場所によっては 手織り機を使った製作工程を見学することもでき、地域の文化と手仕事の伝統に触れることができます。
ラ・グルタ礼拝堂(La Gruta, La Esperanza)
ラ・グルタ礼拝堂
(La Gruta, La Esperanza)
インティブカ県のアイコン的な礼拝堂。
洞窟に埋め込むような形で作られている。
中央公園とインティブカ教会
(Parque Central, Iglesia de Intibucá, La Esperanza )
エスペランサ市の中央に位置し、教会と隣接している。
手工芸品などのお土産がたくさん売られている。
サン・フアン市(San Juan, Intibucá) は、エスペランサ市から車で約1時間〜1時間半ほどの距離にある、レンピーラ県に隣接した小さな町です。CA-11号線上に位置しているため、比較的アクセスは容易です。
この町は オパラカ山脈(Puca Opalaca) の麓にあり、標高差のある気候条件から コーヒー栽培が盛んな地域として知られています。また、レンカ族の文化的な影響が強い地域でもあり、この町はルータ・レンカのおよそ中央に位置することから、地域の人々の中には「ルータ・レンカの心臓」と呼ぶ人もいます。
小さな町の中には多くの 壁画や色彩豊かな建物 が点在し、通りを歩くだけでも温かく素朴な雰囲気を感じることができます。エスペランサ市やグラシアス市へ向かう途中に、立ち寄って散策するのにちょうど良い町です。