バイア諸島県(イスラス・デ・ラ・バイア県)
バイア諸島県(Islas de la Bahía)は、ホンジュラス北部、カリブ海に浮かぶ主要な3つの島と、さらに小規模な島々や岩礁からなる県です。総面積は約250㎢で、一番大きなロアタン島(約83㎢)であっても、沖縄の宮古島の半分以下 の大きさです。県は 4つの市から構成され、県都はロアタン島(Roatán)で、行政中心地はコクセン・ホール(Coxen Hole)にあります。
主要な島は、県都ロアタン島に加え、グアナハ島(Guanaja)、ウティラ島(Utila)で、特にロアタン島とウティラ島は観光地としてよく知られています。国外からの観光客も多く、ロアタン島ではホンジュラス通貨のレンピーラとともに、米ドルが一般的に使用されています。また、かつてこの地域はイギリスの支配下にあったことから、島民の多くは 英語とスペイン語を日常的に話します。
さらに、島では ガリフナ族(Garífuna)をはじめとした様々な文化が息づいており、海やビーチだけでなく、音楽・ダンス・食文化などを通して、独自の文化的背景を体感することができます。
まず初めに、バイア諸島は「ベイ諸島(Bay Islands)」と表されることもあります。意味は全く同じで、これは1850年にイギリス政府がこの群島を「ベイ諸島植民地(Colony of the Bay Islands)」として領有したことに由来します。
ロアタン(Roatán)は、ナワトル語に由来し、「女性たちの場所」を意味するとされています。語源は siwatl(女性)+ tlan(場所)。 過去には Ruatan や Rattán と表記されていた時期もあります。また「海賊が島にいた多くのネズミを見てRat landと呼んだ」という説も知られていますが、これは史料のない俗説であり、語源としては採用されていません。
グアナハ(Guanaja)の名称は、島に居住していた先住民の言語に由来するとされています。コロンブスがこの島に到達した際には「Islas de los Pinos(松の島々)」と呼び、その後、イギリスは Bonacca(ボナッカ)、スペインはGuanaja(グアナハ)と呼んでおり、現在用いられている名称はスペイン語系のものです。
ウティラ(Utila)は、島で作られていた松脂の煤(すす)を用いた黒い染料に由来します。語源はナワトル語「Okotlillah(オコトリジャ)」で、okotlilli(松脂の煤)+ tlah(豊富な)→「松脂の煤が豊富な場所」を意味するとされています。
ロアタン島のレタラ(フォトスポット)
(Letras de Roatán, Roatán, Islas de la Bahía)
ウエスト・ベイは、ロアタン島の最南部に位置するエリアで、島内でも特に透明度の高い海と美しい夕日を楽しめるスポットです。ビーチ沿いにはリゾートホテルをはじめ、レストラン、バー、ウォーターアクティビティの会社が立ち並び、それぞれが独自のコンセプトを持っています。 開放的な海辺のカフェでのんびり過ごしたり、ビーチベッドでお昼寝したり、アクティブに海へ出たりと、思い思いの過ごし方ができる場所であることが大きな魅力です。
アクセスはタクシーまたは水上タクシー(小型ボート)が一般的です。また、隣のウエスト・エンド(West End)からは、ビーチ沿いを歩いて向かうことも可能です。
なお、ロアタン島は全体的に物価が高い傾向にあり、特にウエスト・ベイは島内でも最も物価が高いエリアの一つとして知られています。飲食やアルコールの価格は、ホンジュラス本土と比べると3倍以上になることもあります。そのため、宿泊や食事は比較的価格が抑えられるウエスト・エンド側で行い、遊ぶ場所としてウエスト・ベイを訪れるというスタイルがおすすめです。
ウエスト・エンド
(West End, Roatán)
ウエスト・ベイの隣にある町。
物価も比較的安く、マリンアクティビティも楽しめます。
マヤン・エデン・エコパーク
(Mayan Eden, Coxen Hole, Roatán)
島に住んでいる動物たちを見ることができる
小さなエコパーク。ナマケモノが有名。
リトル・フレンチ・キー
(Little French Key, Roatán)
プライベートアイランドで、比較的手ごろなお値段で
落ち着いた小さな島をゆっくり楽しめます。
ウティラ島へは、ロアタン島またはラ・セイバから船で約1時間でアクセスできます。この島はスキューバダイビングの聖地として知られ、世界で最も安くダイビングライセンスを取得できる場所のひとつです。島の南側が中心エリアとなっており、数多くのダイビングショップや、ライセンス取得コースを含む宿泊施設が並んでいます。
島全体はとても小さく、車は走っていません。移動手段はバイクやATV、バギー、ゴルフカートが主流で、レンタサイクルを利用すれば島の裏側まで気軽に出かけることができます。通貨はレンピーラが主に使われ、ロアタンのように米ドルは一般的ではありません。物価は本土よりやや高めですが、ロアタンに比べるとかなり良心的です。
ロアタンが洗練されたリゾートとして発展しているのに対し、ウティラ島には今もホンジュラスらしさが色濃く残っています。 島全体に漂う穏やかな空気とスローな時間の流れは、ダイビングをしなくても訪れる価値があります。何もしない贅沢を味わいたい人にぴったりの島です。
バイア諸島県は、ホンジュラス国内では比較的治安が良いとされる地域ですが、外国人観光客が多く訪れることから、大麻やコカインなどの違法薬物が流通している側面もあります。特にウティラ島は警察の人員が多くないため、ロアタン島と比べて、薬物を使用している人を見かける機会が多い印象があります。
売人は主に外国人観光客を対象にしており、夜間の路地裏など目立ちにくい場所だけでなく、日中のビーチやレストランといった公共の場で声をかけてくる場合もあります。断ったことで逆上されるケースは比較的稀だと思われますが、トラブルを避けるためにも、相手を刺激しないように丁重かつ冷静に断ることが大切です。
また、ウティラ島では無免許運転が常習化していると言われており、ホンジュラスの正式な運転免許を持たない外国人や子どもが運転しているケースも見られます。道幅も狭いため、特に夜間の移動には注意が必要です。
ウティラ島の道路は車が通らないため、かなり道幅が狭くなっています。