オランチョ県
オランチョ県(Olancho)はホンジュラス中央部からやや東寄りに位置し、東はグラシアス・ア・ディオス県およびニカラグア、西はヨロ県とフランシスコ・モラサン県、北はコロン県、南はエル・パライソ県と接しています。総面積は約24,000㎢で、エルサルバドルやベリーズの国土よりも一回り大きい規模を誇ります。県は23の市から構成されており、県都はフティカルパ(Juticalpa)市です。
オランチョ県はホンジュラス国内で最大の面積を持つ県として知られており、国土全体のおよそ21%を占めています。その広大な土地には、古くから多様な先住民族が暮らしてきたとされ、ペチ族、ナワ族、トルパン族、タワフカ族などが、スペイン人の入植以前から集落を形成していました。
また、グラシアス・ア・ディオス県との県境付近には、世界遺産に登録されている「リオ・プラタノ生物圏保護区」が広がっており、1ヘクタール当たりの動物密度がアマゾンの約3倍とも言われる密林地帯が残されています。さらに、カタカマス市郊外にある「タルグア洞窟(Cuevas de Talgua)」は国内有数の美しい鍾乳洞が見れる観光地です。
オランチョ(Olancho)という名称は、「ゴム(樹脂)の土地」を意味するとされています。先住民族の社会において、ゴムは儀式やスポーツ(メソアメリカ球戯)などで非常に重要な素材であったことから、ゴムが採取できたこの地域に、その名が付けられたと考えられています。一方で別の説では、ナワトル語の「ウィランコ(Wilānko)」に由来するとされており、これは「家臣の土地」といった意味を持つとされています。
県都フティカルパ(Juticalpa)の地名は、ナワトル語の「ショクティカルパン(Xoktikalpan)」に由来するとされ、その意味は「貝(カタツムリ)の家」です。ここで用いられている「家」という表現は、住居そのものを指すというよりも、「多く存在する場所」といった意味合いで解釈するのが適切だと考えられます。スペイン人の入植以降、この地は一時的に「フティアパ(Jutiapa)」と呼ばれるようになり、時代とともに呼称が変化し、現在のフティカルパという名称に定着したとされています。
カサ・デ・ラ・クルトゥラ(Casa de la Cultura, Juticalpa)
カタカマス市は、オランチョ県の県都フティカルパからバスで約1時間の距離に位置しています。フティカルパと比べると町のつくりはより広々としており、素朴な雰囲気が漂う一方で、セントロ(中央地区)は色鮮やかな壁画や装飾で彩られています。そこで暮らすカタカマスの人々も活気にあふれ、温かみのある町です。
この町の最大の観光の目玉は、やはり「タルグアの鍾乳洞(Cuevas de Talgua)」でしょう。国内でも有数の鍾乳石が見られる洞窟で、オランチョ県を代表する観光地の一つです。紀元前にはこの洞窟で死者の埋葬が行われていたとされ、現在も考古学的な調査が続けられています。
また、町を一望できる「十字架の丘(Cerro de la Cruz)」、歴史ある「フランシスコ・デ・アシス教会(Iglesia San Francisco de Asís)」、市民の憩いの場である「フェリックス・M・レジェス公園(Parque Félix M. Reyes)」など、町歩きの見どころも豊富です。
タルグアの洞窟
(Cuevas de Talgua, Catacamas)
紀元前から埋葬の儀式が行われていた
国内屈指の鍾乳洞です。
十字架の丘
(Cerro de la cruz, Catacamas)
カタカマス市北部の小高い丘の上にある
町が見渡せるスポットです。